入れ歯の特徴を分かりやすくまとめてほしいです【さいたま市浦和の歯科医師監修】
初めて入れ歯を使用する人は不安も多いでしょう。
「入れ歯とはどんな感覚なのか?」、「今までと同じ食生活に問題はないのか?」など、
疑問点や不明点も多々あると思います。そこで、ここでは入れ歯の特徴をテーマにして、
入れ歯について誰もが気になることを分かりやすく解説していきます。

入れ歯にするメリットは?
歯を失った場合の選択肢は入れ歯だけでなく、「第二の永久歯」と呼ばれるインプラント、
また歯を失った箇所によってはブリッジによる対処も可能です。
その中で入れ歯を選択することにどのようなメリットがあるのでしょうか。
入れ歯のメリットは主に2つで、1つは費用が安くすること、もう1つは治療方法が手軽なことです。
オーダーメイドの場合はともかく、通常の入れ歯ならその治療費に健康保険が適用されますし、
インプラントの手術のような大きな治療を必要としないため、身体への負担や緊張もなく治療できます。
入れ歯は外れやすい?
入れ歯は外れやすいと言う人がいますが、それは誤解です。
入れ歯は取り外しできる仕様になっているため、確かにインプラント比較すれば外れやすいでしょう。
しかし、入れ歯が外れやすいと言う人は、その人の癖が原因になっていることが多いのです。
例えば右の歯を失った人は、食事の時に左で噛むようになります。
そしてその人が入れ歯にした場合、歯を失った時の噛み方の癖でつい左で噛んでしまい、
アンバランスな噛み方によって入れ歯が外れてしまう…このケースが非常に多いのです。
入れ歯に食事制限はある?
基本的に食べてはダメと明確に決められた食材はないですが、
食べ物のかたさや大きさには注意する必要があります。
まず入れ歯はあまりかたいものは食べられず、これは入れ歯の咬合力が天然の歯の3割ほどだからです。
咬合力…すなわち噛む力が天然の歯の3割ほどしかないため、
歯が健康だった頃のようにかたいものを食べることはできなくなります。
その意味で食材の大きさも考える必要があり、大きすぎると噛みにくくなってしまうのです。
入れ歯を使う時の注意点は?
入れ歯を使う時の注意点は主に2つです。
1つは噛み方に注意することで、入れ歯は均等に噛まないと外れてしまい、
一方の歯だけで噛むとシーソーの原理でもう一方が浮き上がってしまいます。
もう1つは温度に注意することで、入れ歯は義歯床の仕様上、熱さを感じにくくなっているのです。
このため、適度な温かさだと思って口にすると、飲み込んだ時に火傷してしまうことがあり、
入れ歯にすると熱さを感じにくい点は心得ておかなければなりません。
入れ歯は見た目が悪い?
最近の入れ歯は審美性にもこだわりが見られ、決して見た目が悪いことはありません。
とは言え、審美性のみを重視するならインプラントの方が優れているでしょう。
ただ、費用にこだわりがなければ入れ歯の審美性を高めることも可能です。
それはオーダーメイドの入れ歯にすることで、保険診療の入れ歯に比べて使える素材や色の種類が多く、
可能な限り審美性を高めた入れ歯を再現しています。
ただし、オーダーメイドの入れ歯は自由診療になるため、入れ歯でありながら費用は高くなります。
入れ歯はインプラントよりもおすすめ?
これについては患者さんの要望次第ですから、この場でどちらかおすすめと断言することはできません。
入れ歯とインプラントは歯を失った場合の対処方法という点は同じですが、
それ以外の部分は仕様も治療方法も全く異なるため、別物と考えて良いでしょう。
入れ歯は費用が安くて手軽な分、天然の歯の再現度はそれほど高くありません。
一方インプラントは費用が高くて治療も大がかりな分、天然の歯に限りなく近い感覚が得られます。
ですから、失った歯の対処において何を重視するのか?…その答えによっておすすめが決まります。
まとめ

いかがでしたか?
最後に、入れ歯の特徴についてまとめます。
1. 入れ歯にするメリットは? :費用が安くて治療も簡単で手軽。つまり負担の少ない治療なのがメリット
2. 入れ歯は外れやすい? :外れるのは確かだが、外れやすい人の大半は噛み方に問題がある
3. 入れ歯に食事制限はある? :あまりかたいもの、大きいものは噛みにくい
4. 入れ歯を使う時の注意点は? :均等に噛むこと、熱を感じにくいので火傷に注意すること
5. 入れ歯は見た目が悪い? :審美性にこだわるなら、オーダーメイドの入れ歯にする選択肢もある
6. 入れ歯はインプラントよりもおすすめ? :人工の歯に対して何を重視するかで決まる
これら6つのことから、入れ歯の特徴について分かります。
単に仕様だけに注目してしまうと、入れ歯はインプラントなどに比べて劣っている点は多いでしょう。
しかしその分費用は安く、また治療において患者さんに大きな負担がかかることもありません。
その手軽さこそ入れ歯のメリットであり、今では審美性の高いオーダーメイドの入れ歯も存在します。









